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2014年2月22日

定性と定量のあいだ。読中感想「サイトサーチアナリティクス」

最近、「サイトサーチアナリティクス」て本を読んでます。
文系なので、なんとか分析的な思考の穴埋めをしようという魂胆ですね。地味な表紙ですが、けっこうおもしろいです。

何の本かというと、サイトサーチ、つまり検索。
Googleの検索じゃなく、ここでは「サイト内の検索」を指していて、その検索語から分析すると色々見えてくるぜという教科書です。


さて、前半読んでいて、へー分析ておもしれーなーと思ったところがあったので書き記しておきます。それが「検索精度の検証」の話。

会社のイントラの検索システム導入事例の紹介の中で、システム担当が、出来上がってきた検索システムがどうも「イマイチ」だということに気付いたというんですね。入れたキーワードに対して、返してくる結果が何となく満足できない。

でも、システム会社は要件通り作っているわけだから、何が悪いのよ、っていうことになる。いやでもさぁ、イマイチじゃん・・・。この、モヤモヤとした感じを「定量的に」伝えるために、その担当者がとった分析方法が「へぇーなるほど」というものでした。

検索結果の妥当性を判断するのはどうしても主観になるわけですが、イマイチとだけ言っているんじゃ始まらない。何をしたかというと、そのイマイチ度合いに段階を定義付けて、キーワードごとに点数を付けていったのです。

根気いりそう

調査キーワードの対象は、よく検索されるものに絞り、検索結果の上位5位の結果それぞれに、「適合〜ぜんぜんダメ」の全5段階をつけていく。
そうすると、主観を基にした調査ではあるけれど、そのダメ度合いが数字になって出てくるというわけですね。

数え方のバリエーションもなるほど、でした。
全キーワード数を分母として、例えば「適合」の数だけで割合で見れば、「厳しめ」での評価に。「適合〜普通」までで見れば、「ちょっと甘め」、というように、評価にグラデーションがかけられるのですね。ふむふむ。

てことは、この結果をもとに検索エンジンのチューニングを行って、再評価を行ったとき、「厳しめ」だとあんまり変わらないけど、「ちょっと甘め」で見ればそれなりに改善した、みたいなことが見えてきたりする。こりゃ、おもしろいですね。

単にログの数字とにらめっこするんじゃなくて、こういうふうに定性的な評価を積み上げて力技で定量評価する方法もある、という文系的発見でした。

また、発見あったら書きます。


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清水 誠

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