ページ

2013年10月22日

Huluで「Breaking Bad」を観て海外ドラマのクオリティを思い知らされた件


半沢直樹もあまちゃんも観てないのですが、こないだHuluで「Breaking Bad」という海外ドラマがあったので、なんとなく観始めました。これがとんでもなく面白い。どうして日本ではあまり盛り上がっていないのか・・・。テーマ的にPRが難しいんですかね。

末期ガンを宣告された主人公の化学教師のウォルターが、家族に財産を残すため、ドラッグ製造に手を出して大金を得ようとする。残された家族が幸せに暮らせる分だけが稼げれば良いと思っていたが、闇のマーケットの世界に引きずり込まれて話がどんどんでかく、「Bad」になっていく。

ドラッグ密造という、本来共感しづらい世界を、「家族のため」と奔走する主人公をフィルターにすることで見事に“仕方がないこと”にしている。そして、平凡な男が、裏の世界で巨大な存在になっていくメタモルフォーゼ。裏と表の顔のギャップ、隠しきれなくなる秘密、妻とのすれ違い、苛立ち、葛藤、判断を歪めるプライド。。。

表から裏へ、裏から表へ、このジェットコースターのような展開は海外ドラマの得意技ですね。かといって既視感があるわけではない。今にも崩れそうなジェンガを積み上げていくような展開に目が離せなくなる。

映像演出も凝っている。淡々とドラマが展開してくだけでなく、時折場違いと思えるほど陽気なBGMとミュージックビデオのような編集がされたシーンが挿入され、ストーリーの重さをうまく中和しているように思う。

先日はフリンジなんかも夢中で観ていたが(これも化学系。しかも博士はウォルターって名前でしたね)何という拘束力の強さだろう。裏切り力と言ってもいいか。設定そのものの面白さに加えて、不確定要素や伏線を張りまくって、先の話を一切予測不能にしてしまう周到さ。映像美、そしてベースをしっかり支える役者の巧さ。

こりゃ、かなわないですね。